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ユーロ圏の信用不安のあおりを受けた通貨高に悩まされてきたスイスで、中央銀行の総裁が、妻が行った為替取引がインサイダー取引に当たるという批判が高まったことから、辞任する事態になりました。 スイスの中央銀行に当たるスイス国立銀行は、9日、ヒルデブラント総裁が辞任したと発表しました。スイス国立銀行は、ユーロに対してスイス・フランが急激に値上がりしたことから、去年9月、フランが一定以上、値上がりしないよう上限を設ける異例の措置を発表しました。ところが、この発表の前後に、ディーラーの経験を持つヒルデブラント総裁の妻が、為替取引を通じて日本円で数百万円の利益を上げていたことが明らかになり、インサイダー取引に当たるのではないかという厳しい批判が上がっていました。ヒルデブラント総裁はこれまで疑惑を否定してきましたが、9日になって声明を発表し、「妻が私の知識なしに為替取引を行ったと完全に証明することは不可能だ」などとして辞意を表明したものです。ユーロ圏の信用不安が続くなか、スイス・フランは、日本の円と同じように相対的に安全な資産だとみなされて市場で値上がりしてきましたが、フラン高対策を巡る中央銀行の対応が、総裁の辞任につながったことにヨーロッパの金融市場で衝撃が広がっています。 |