東日本大震災によるいわゆる二重ローン対策として、住宅ローンなどの返済免除を受けやすくする措置がことし８月に始まりましたが、現状では、救済される被災者が限られるという指摘が出ていることから、条件が一部緩和される見通しになりました。

東日本大震災で住宅が被害を受け、ローンの返済が難しくなった被災者を救済する対策のひとつとして、全国銀行協会や弁護士などからなる委員会は、被災者が自己破産の手続きを取らなくてもローンの返済免除を受けやすくする措置をことし８月から始めています。しかし、この措置の対象が、震災で仕事を失って収入が減り、預金や土地などを処分してもローンを返せない人たちに限られているため、これまでに寄せられた電話相談はおよそ１２００件で、実際に免除の申請をした人は２５件にとどまっています。このため委員会では、免除の条件を一部緩和する方針で、今は仮設住宅に入居していて、今後、民間の住宅に移り家賃を払うとローンの返済ができなくなってしまう人も免除の対象に加える見通しです。一方、ローンの返済免除の措置があることを知らない被災者も多いとみて、委員会では被災地で相談会を増やし、周知していきたいとしています。