経済産業省の元審議官がインサイダー取引の疑いで逮捕された事件で、元審議官は、自分が担当する企業の内部情報について部下から詳しい報告を受けた数日後に株を購入していたことが、関係者への取材で分かりました。弁護士によりますと、元審議官は「不正な株取引には当たらない」と主張しています。

経済産業省の元審議官、木村雅昭容疑者（５３）は、平成２１年、自分が再建計画を担当していた大手半導体メーカーの「エルピーダメモリ」など、２つの企業の内部情報を入手し株を購入したとして、１２日、東京地検特捜部にインサイダー取引の疑いで逮捕されました。木村元審議官は、平成２１年の５月にエルピーダメモリの株３０００株を購入しましたが、その数日前に、部下から、会社が資本増強を決めたことについて詳しい報告を受けていたことが、関係者への取材で分かりました。その後、株価が値上がりしたところで売却し利益を得ていたということで、特捜部は、木村元審議官が特別な立場を利用して知った内部情報をもとに株を売買したものとみて調べています。弁護士によりますと、木村元審議官は「資本増強の業務には関わっておらず、情報に接する立場になかった。不正な株取引には当たらない」と主張しています。